問題解決の道具箱

”創造的”に問題を解決するためのヒントとそのリンク集

パレート改善(非協力ゲームから協力ゲームへ)

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パレート改善とは、ある集団に対するある資源の分配を変更する際に、誰の効用も悪化させることなく、少なくとも一人の効用を高めることができるように資源配分を改善することである。(Wikipedia

パレート効率性(パレートこうりつせい、英: Pareto efficiency)は、経済学(ミクロ経済学)の中でも資源配分に関する概念のひとつ。パレート最適(英: Paretian optimum)ともいう。

ある集団が、1つの社会状態(資源配分)を選択するとき、集団内の誰かの効用(満足度)を犠牲にしなければ他の誰かの効用を高めることができない状態を、「パレート効率的 (Pareto efficient)」であると表現する。また、誰の効用も犠牲にすることなく、少なくとも一人の効用を高めることができるとき、新しい社会状態は前の社会状態をパレート改善 (Pareto improvement) するという。言い換えれば、パレート効率的な社会状態とは、どのような社会状態によっても、それ以上のパレート改善ができない社会状態のことである。(Wikipedia  

パレート最適、パレート効率性

パレート最適(ぱれーとさいてき)資源が無駄なく配分された状態のこと。イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが提唱したもので、「資源配分する際、誰かの効用(満足)を犠牲にしなければ、他の誰かの効用を高めることができない状態」のことをいいます。「パレート効率性」と呼ばれることもあります。(三井住友DSアセットマネジメント わかりやすい用語集

パレート最適(ぱれーとさいてき)資源配分を行う際に、「誰かの状況を改善しようとすれば、他の誰かの状況を悪化させることになる」、つまり資源が最大限利用されている状態。

イタリアの社会学ヴィルフレド・パレートによって提唱された。パレート効率性ともいう。また、誰の効用も犠牲にすることなく、少なくとも一人の効用を高めることのできる変化を「パレート改善」という。パレート最適な社会状態とは、いかようにもパレート改善ができない社会状態であるが、市場における参加者間の公平性とは無関係である。(野村證券 証券用語解説集

 パレート最適とは - コトバンク

 パレート最適ナッシュ均衡

パレート最適」とは、誰も不利益を被ることなく、全体の利益が最大化された状態(それ以上利益を出すためには誰かを犠牲にしなければいけない状態)のことです。

一方「ナッシュ均衡」とは、自分の選択を変えると利益が得られない状態=互いに現状から変わる必要のない安定した状態を指しています。

全体の利益を優先する「パレート最適」と個人にとって合理的な判断となる「ナッシュ均衡」の矛盾

 囚人のジレンマの場合、「お互い自白せずに懲役2年の刑罰を受ける」のがパレート最適と言えます。しかし、相手が裏切って自白した場合、自分は懲役10年になってしまいます。そのリスクを回避するためには自白するしかありません。この状態では2人とも「自白する」という選択しかできず、そこから変える必要性はありません。

つまり囚人のジレンマにおけるナッシュ均衡は「お互いが自白する」こととなります。しかしそれは「パレート最適」な状態ではありません。(囚人のジレンマとは?ゲーム理論の代表例を「パレート最適」と「ナッシュ均衡」とともに解説 ferret

ナッシュ均衡(なっしゅきんこう)ノーベル経済学賞を受賞したジョン・ナッシュが定式化したゲーム理論のうち非協力ゲームの基本概念で、すべてのゲームの参加者が、一定のルールのもと、自らの利得が最大となる最適な戦略を選択し合っている状態のこと。

共同で犯罪を行い逮捕された2人の囚人が黙秘するか自白するかを選択する際に、自己の利益を優先しようとするあまり結局両者にとって不利な選択をしてしまういわゆる「囚人のジレンマ」が例として挙げられるように、参加者それぞれが最も合理的な行動をとっても、その状態が参加者すべてに最も理想的(パレート最適)であるとは限らない。資本主義経済においては、企業間で商品の値下げ競争が行われている場合などにこの均衡が出現することがある。(野村證券 証券用語解説集

 パレート最適とナッシュ均衡  - 3日で学ぶ交渉術!ゲーム理論入門

非協力ゲームと協力ゲーム

非協力ゲーム(英: noncooperative game)とは、プレイヤーが提携しないゲームを指す。協力ゲームと非協力ゲームとの区別は「制度的なもの」であり、プレイヤーが拘束力のある合意を形成する制度的な枠組みがない場合、そのゲームは非協力ゲームである。(非協力ゲーム - Wikipedia

協力ゲーム(英: cooperative game)とは、ゲーム理論において、複数のプレイヤーによる提携 (coalition) 行動が可能であるとされた場合のゲームである。協力ゲームにおける提携行動は、提携をする各プレイヤーの利得を増加される場合に行われるとされている。(協力ゲーム - Wikipedia

協力ゲームでは,提携の利益が本当に実現するのか,という問題が残ります.このため協力ゲームは提携を組んだときにその提携の利益が確実に得られる「拘束的合意」と呼ばれる合意が存在することが,前提になっているとも言われます.

特に「どのような行動が選ばれて,どのような利益が得られるか」という「どうなるか(記述的理論)」ではなく,「提携ごとの利益から,どのように利益が各プレイヤーに配分されるべきか」という「どうあるべきか(規範的理論)」として活用できることが,協力ゲームの利点でもあります.(非協力ゲームと協力ゲーム | NABENAVI.net

  非協力か協力か?ゲームの分かれ目 - 3日で学ぶ交渉術!ゲーム理論入門

  ゲーム理論はどのようにマーケティングで活かされる? | デジマギルド

鹿狩りの寓話

スタグハントゲーム (英: stag hunt game) はゲーム理論における概念で、ジャン=ジャック・ルソーの物語「鹿狩りの寓話」にちなんで命名された。

このゲームでは2人のハンターは、それぞれ兎を捕らえて利益1を獲得するか、協力して鹿を捕えて利益2を獲得するかを選択することができる。だが鹿は2人で協力しないと捕えることができない為、1人だけで鹿を捕えようとしても利益0になってしまう。(スタグハントゲーム - Wikipedia

数人の飢えた狩人が、一致協力して鹿(長期的な全体の利益)を射止めれば全員の命が助かるのに、目の前に兎(短期的な個人の利益)が現れると、たとえ自分は兎に手を出すつもりがなくても、仲間の誰かが約束を破って手を出すのではないか、そうすれば裏切った彼が生き延びて約束を守った自分が命を落とすことになるのではないかと、仲間を信用できなくなり、先に兎に手を出す強い誘惑に駆られる人間の弱さを描いたものである。(鹿狩りの寓話 - Wikipedia

https://upload-wikimedia-org.translate.goog/wikipedia/commons/6/66/Stag_Hunt_hunters_with_stag_and_rabbits.svg?_x_tr_sl=en&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=nui,sc

タカ・ハトゲーム

キンゲームは、進化ゲーム理論の分野ではタカハトゲームとしても知られている。

もし双方のプレイヤーがタカ戦略を選択した場合、資源を奪うために戦い傷つくために双方の点数はマイナスである。一方がタカ戦略を選択し、もう一方がハト戦略を選択した場合、タカ戦略が資源を独占するが、ハトは速やかに逃げ出すために何も失わない。双方のプレイヤーがハト戦略を選択した場合、しばらく威嚇しあった後に資源を対等に分け合うと仮定する。ここでの利得は適応度、すなわち生存と繁殖成功度によって計られる。(チキンゲーム - Wikipedia

 ゲーム理論の導入 タカ・ハトゲーム(東京女子大学 生物学特論)

 ゲーム理論と進化ダイナミクス

 進化ゲーム理論とは

 

ゲーム理論おすすめの入門書

 人間が本来持っている理不尽さ、ずるさ、弱さ、そんな人間がつくる社会のさまざまな問題点をありのまま見つめて、モデル化していくことにゲーム理論の真骨頂があります。それらの問題を根絶しようと無理をするのではなく、問題と共存しながら、それらのリスクを抑えるためのルールをどうつくるかに知恵をしぼるのが、ゲーム理論という学問なのです。
ナッシュ均衡とパレート効率性のジレンマ、それを克服するためのメカニズム・デザイン、さらに理想のルール設計は不可能であることを示唆する不可能性定理。豊富な実例とともにこれらの言葉を理解し、本当に社会や人間とかかわりあえるゲーム理論を身につけてほしい。そんな著者の真摯な思いがほとばしる一冊です。